Kichijoji Art Walk（吉祥寺アートウォーク） 吉祥寺アート＆ギャラリー情報サイト 美術館、画廊、アート教室、イベント情報

コピス４階にある「ニコハウス ソーラーギャラリー吉祥寺（武蔵野市吉祥寺本町１）」で12月13日から『アートロック展』が開催されている。主催は、イラストレーター・キャラクタデザイナーのきはらようすけ氏で、同氏はフジテレビのテレビ番組『ポンキッキーズ』に提供した「ゴー! ゴー! コニーちゃん」などのキャラクターで広く知られている。

『アートロック展』では、フェルナンデスZo-3というエレキギターにきはら氏がイラストを描いたペイント・ギターのシリーズを中心に展示されている。2005年から３年にわたって販売されたアートロックシリーズは、サマーソニックのオフィシャルギターに選ばれ、エリック・クラプトンやOASIS、木村カエラ、奥田民生などの有名アーティストたちにも愛用されるなど、国内外から注目を集めた。今回の展示では、そのアートロックシリーズを一同に展示し、さらにその元になるきはら氏のロックイラストレーションなども同時に展示されている。

さらに、きはら氏考案の毛糸で編んだぬいぐるみ「あみぐるみ」も同時に展示されている。小さなウサギのあみぐるみの「兎野U（うさぎのウー）」とクマのあみぐるみの「熊野900（くまのクレレ）」というウクレレ・デュオが、「U900（ユウ・キュウヒャク）」というユニット名で、ベンチャーズやビートルズ、マイケルジャクソンなどの有名曲をウクレレでカバーして歌うという設定だ。

実は、このキャラクターがカバーする曲のウクレレを実際に演奏しているのが、きはらようすけ氏本人（U）と、ソフト制作会社の成相博之氏（900）の二人だ。さらに、独特の声質が魅力的なヴォーカルは、きはら氏の娘のかなえさん。きはら氏は、かつてのフジテレビのキャンペーンキャラクター「ウクレレマン」を制作したほどのウクレレ通であり、成相氏とはウクレレの書籍の取材で知り合った。それ以来、公私ともに親しくしている間柄だという。

U900のアイデアは、成相氏がベンチャーズのカバーCDの企画をきはら氏に相談したことから生まれた。低予算という限られた状況下で頭を悩ませていたが、その頃きはら氏があみぐるみの制作に凝っており、それを主役にしたあみぐるみデュオを思いついた。プロモーション費はごくわずかだったものの、動画配信サイト・YouTubeでネット配信したところ、それがアジアを中心に世界的に大ヒットとなったのだった。

独特の「ゆるい脱力系」の楽曲とアニメーションが反響を呼び、イスラエルでのテレビコマーシャル起用や、台湾のメーカーからU900モデルのウクレレが発売されるなど、今や海外から引っ張りだこの状態だ。来年には、「New York International Children's Film Festival（ニューヨーク国際こども映画祭）」にも招待されている。

今回の「アートロック展」に際して12月16日には、コピス１階の「ふれあいデッキこもれび」にてU900の生演奏も開催された。海外での人気と比べてまだまだ国内での知名度は低いものの、駆けつけたファンは、滅多に見ることのできない本人たちによる生演奏を終止ビデオ撮影する光景なども見受けられた。

イラストレーター、キャラクターデザイナー、アニメーション制作、ウクレレ演奏などマルチな才能で活躍するきはらようすけ氏の展示は12月25日まで。U900が在廊することもあるので、この機会を見逃さずぜひ一度足を運んでみてはいかがだろう。

U900 -Diamond Head（ウクレレ・ベンチャーズ）

ウクレレデュオU900の生バンドによるライブ（コピスふれあいデッキこもれび）

U900 -Jingle Bells