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吉祥寺CAFE　ZENON「カフェゼノン」（武蔵野市吉祥寺南町2）で『柏原晋平 個展 ～緋～』が開催されている。

柏原氏は墨やアクリルガッシュ、水彩絵具、ペンキなど様々な画材を用いた独特のグラデーションが印象的な画家。飛沫が美しい表現を魅せる 「椿」を主題とした植物画の作品は、国内外の個展やオークションで発表され各地で高い評価を得ている。また、その他にもスターバックスコーヒージャパンのタンブラーコレクションやスイス本社より直接の依頼を受けたＳＩＧＧボトルコレクションへの作画提供、ブランドロゴの制作、書籍、雑誌への作画提供やデザイン、アートディレクションに至るまで様々な表現媒体を通して活躍中でもある。

今回の個展では、「椿」の色として印象的な"緋色"の作品を集め、各地のライブペイントなどで描いた大作や小品など、近作40余点を展観している。

作品は主に墨が使われているため日本画・水墨画として分類されるが、西洋画の画材であるアクリルガッシュも併用。このアクリルガッシュは油分があるため撹拌しても混ざらないが、逆に層が生まれることを利用して重ねて描いているという。

「もともと水墨画を学んできたので、古典的なものを描くことは出来ます。でも今の混合された技法で描く絵は、自分にしか描けない。そう自負をしています。」と柏原氏。どのジャンルにも属さないその作品は、観れば確かにすぐ柏原晋平だと気づくことが出来るだろう。

カフェゼノンは元来、マンガやイラスト作品の展示が多いが、その場所に敢えて展示することの意味について柏原氏は以下のように話す。「日本はジャンルが固定化され、展示する側も鑑賞する側も非常に許容範囲が狭いと感じています。でも絵は本来、"自由になりたい"とか"心を解き放ちたい"と思って描くものですから。私はどんなにアウェーだとしても、やれる場所があればチャレンジしたい。そして、どうせやるならそこに合う一番のものを提供したいと考えています」。

新しいアートとの関わり方に挑戦しているカフェゼノンと融和され、非常に見ごたえある展示となっている今個展。是非この機会に柏原作品に触れてみては如何だろうか。

展示は今月31日（水）まで。