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版画家「南桂子 展 ー 時をこえて刻まれた想い・まなざし」
生誕100年を記念して吉祥寺美術館で10/10(月)まで開催、ワークショップも
武蔵野市立吉祥寺美術館(武蔵野市吉祥寺本町1)で「南桂子 展 時をこえて刻まれた想い・まなざし」が開催されている。
生誕100年を機に開催される本展は、銅版画を中心に油彩画、デッサン、原版など約170点を前期・後期にわけて展示し、節目となる時代別に再検証し、版画家・南桂子の姿を浮き彫りにする。
南桂子(1911-2004)は、現在の富山県高岡市に生まれ、詩作や絵画制作に親しみながら多感な少女時代を過ごす。戦後まもなく上京し、壷井栄に童話の魅力を教えられ、同時に浜口陽三との出会いによって銅版画制作へと目覚めた。その後、浜口とともに、1954年から約30年間をパリで、1982年から1996年 に帰国するまでをサンフランシスコで過ごし、長い海外生活の中で、浜口の制作活動を献身的に支えながら、自らも詩情あふれる世界を銅版画に残した。南作品は、大きな瞳の少女、城や水辺、鳥や木々が繰り返し登場する作品は異国情緒や物語性に富んでいる。彼女の感性は、清く澄んだ水を湛えた深い泉から湧き上がるようなみずみずしさで、観る人の心を潤してくれる。
今回は、1950年代前半東京での油彩作品、1950年代後半から1970年代までのフランス時代の作品、そして1980年代から90年代にかけてのアメリカでの銅版画を時代ごとに区切り展示。時代と共に遷り変わる南作品を一堂に観られる非常に貴重な展覧会となっている。
また、本展を記念して制作された図録には、1953年頃の初期のものから1993年までのほぼ全作品が網羅されている。非常に内容の濃いものとなっているので、ぜひ作品鑑賞後に手元に置いておきたい逸品といえるだろう。
本展はその後、千葉県佐倉市美術館、群馬県立美術館を巡回する予定。今回が東京でみられる唯一のチャンスなので、ぜひ足を運んで頂きたい。
「南桂子 展 時をこえて刻まれた想い・まなざし」詳細案内
- 会期:2011年9月20日(土)~10月10日(月・祝)
- 営業時間:10:00~19:30
- 休館日:10/5以外の毎週水曜日、9/15(木)、9/16(金)
- 入館料:100円(小学生以下・65歳以上・障がい者の方は無料)
- 主催:武蔵野市立吉祥寺美術館
- 企画運営:財団法人NHKサービスセンター
- 企画協力:ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション
- 協力:NHKエデュケーショナル
前期:8月20日(土)~9月13日(火)
後期:9月17日(土)~10月10日(月・祝)
※前期後期で作品が入れ替わります